

尾瀬ペーパーストーリー 〜尾瀬の木道が紙になる〜

尾瀬の木道(もくどう)エコペーパー
みなさん、尾瀬を訪れたことはありますか?
尾瀬には木でできた道、木道(もくどう)が敷かれてあります。この木道という言葉、広辞苑にも記載されておらず、尾瀬で生まれ育った言葉だそうです。この尾瀬のシンボル的存在である木道がどこからきて、そしてどこへ行くのか知っていますか?
・・・答えをお話するまえに、少し尾瀬について解説しますね。

尾瀬は群馬・福島・新潟の3県の県境に位置しています。木道の総延長は57キロメートルあり、20キロを東京電力、25キロを福島県、12キロを群馬県がそれぞれ管理しています。東京電力がどうして管理しているの?と思われる方もいるかもしれませんね。実は尾瀬全体の約7割の土地を東京電力が所有しています。大正時代、尾瀬の豊富な水を発電に活かす目的で土地を所有することになったそうです。
木道がどこからくるのか、その答えがここにあります。東京電力は社有林である戸倉山林のカラマツと群馬県産のカラマツを木道として敷設しています。そして、ハイカーの方々に安全に快適に尾瀬を楽しんでいただいく為に、1年間に約2キロずつ補修工事・架け替え作業をしています。東京電力が所有しているのは20キロですので、約10年たつと木道としての役目を終えることになるのです。
役目を終えた木道が、どこへ行くのか?実は、そのほとんどが廃棄されていました。
「廃棄される木道を何とか利用できないか?」と、相談を東京電力環境部から受けたのは2004年のことでした。そこで、東京電力と製紙会社の中越パルプ工業の3社で「尾瀬の木道エコペーパープロジェクト」を立ち上げたのです。
紙の原料には、新鮮な木材が最も適しています。10年間も自然に放置され腐敗もある木道を、はたして紙にできるのだろうか?今まで、誰も試みたことのないプロジェクトなだけに、心配と期待が入り混じったスタートとなったのです。
まずは、木道の腐敗を調査するために尾瀬に足を運びました。恐る恐る木道を切り、その断面を確認してみると・・・。なんと驚いたことに、きれいな断面が顔を出したのです。さっそく製紙工場の研究室に木道の一部を運び、紙に適するかのテストを実施しました。するとその結果、「パルプ原料として問題なし」と判明し、嬉しい悲鳴が・・・!ところが、まだ問題が残っていたのです。パルプ原料として問題ないのは、木道の内部だけで表面には腐敗がありました。
その腐敗部分を取り除く、画期的な機械がありました。バーカーと呼ばれる機械で、木材の皮をむく作業を行う装置。このバーカーに木道を搬入し、皮をむく要領で表面の腐敗を取り除くことに成功したのです。こうして木道は、新しく紙として生まれ変わることに成功したのです。
動画にて尾瀬の木道ペーパーを紹介・・・東京電力/省資源・リサイクルのページへ

完成した尾瀬の木道エコペーパーには、ミズバショウをイメージしたロゴと“みんなの尾瀬をみんなでまもる”というメッセージを印刷するようにしました。紙を手に取った方に、自然環境保全と資源循環の両立の大切さを伝えたいとの願いからです。現在、尾瀬や自然を愛する多くの方、企業や個人の方々に尾瀬の木道エコペーパーを使用していただいています。

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